予防歯科・定期メンテナンス


予防から考える生涯の楽しみ

気付いていますか?歯ぎしりや食いしばり!

顎の痛み、頭痛、肩こり、腰痛、めまい、などの原因の多くは「食いしばり」と言われています。ですが、ご自身の食いしばりに気付いていない方が大勢いらっしゃいます。
歯ぎしりや食いしばりは寝ている時などに無意識で、上下の歯を強く合わせ、横に動かしたり、カチカチと合わせたり、グッと食いしばることを言います。人は起きている時に上の歯と下の歯が接触しているのは1日で20分程度と言われています。リラックスした状態であれば上下の歯の隙間は2~3ミリ空いています。接触した状態は緊張状態であり顎の筋肉が疲労します。

「食いしばり」を引き起こす原因の多くはストレス社会といわれる現在、職場や家庭など、どこにいても人間関係にまつわるストレスを抱えている方が大半です。
またパソコン、スマホ、家事など何かに夢中になっている時も無意識に食いしばっています。食いしばりをするとこのような症状が表れます。歯のしみ、痛み、歯にヒビが入り割れたり、折れたり、詰め物や被せ物の破損、むし歯や歯周病が起こりやすくなります。
その他にも口内炎・口角炎・舌の痛みが起き顎関節症、頭痛・めまい・首や肩のこり・目の疲れ・腰痛・皮膚炎やぜんそくなどのアレルギー・慢性疲労・睡眠障害などの症状が表れます。
睡眠中の「食いしばり」は、食事をしているときの約3倍以上の力(約100キロ以上)もの強い力がかかっています。このような大きな力が筋肉を緊張させ、血行不良・睡眠の質の低下・免疫力の低下などを招き、顎の痛みに始まり、頭痛・肩こり・腰痛などに繋がっていきます。朝、眠った感じがしない、頭が重い、首や肩がこっている、疲れが取れていない等の症状も寝ているときの「食いしばり」を原因として考えます。
また、自分では「食いしばり」の自覚がなく、無意識のうちに行っている方がほとんどです。「食いしばり」によって現われる症状には個人差があり、なかには食いしばっていても、問題なく日々を過している方もいます。

そこで咀嚼筋についてご存知ですか?

咀嚼筋とは表情筋は表面、皮膚に近い部分にあり表情を作りだすための筋肉です。咀嚼筋は顔の内側にあり噛むための筋肉で、噛んだ時に力が入るこめかみ付近が側頭筋、顎の外側に歯を食いしばった時に硬くなる所が咬筋です。触ると痛みを感じる方は、筋肉がストレスを感じている状態です。顔の筋肉のコリやゆがみが原因で血行不良や頭痛などの不調が起きている場合もあります。
また、顎関節症の方は顎の痛み・疲労感、口が大きく開かないなどの症状が起こります。顎関節症の要因のひとつで筋肉の硬直や顔のゆがみが発生しこれらの症状を引き起こしていることがあります。
この症状の改善法の1つとして咀嚼筋トリートメントがあります。

咀嚼筋トリートメントは筋肉のコリや疲労をほぐすことで症状の緩和ができます。咀嚼筋は顔の深い場所にあるので、口の外と内の両側からトリートメントを行います。
あなたの生活の中で咀嚼筋はとても大切な役割を担っています。負荷が掛かりやすく疲れている口の中のため咀嚼筋トリートメントは効果的です。

トリートメントやマッサージと聴くとエステの領域では?と感じる方もいるかと思いますが、全く別物です。
エスティテシャンが美容の専門家であるように、歯科衛生士は口腔の専門家です。専門的な知識と日々の臨床経験を通じて得たテクニックがあり、歯科衛生士しか持ち得ない特色と言えます。このような知識と技術を活用し患者様に美と健康について医療人ならではの視点でアドバイスやサポートを行っていきます。

定期的なメインテナンス(歯のクリーニング)は行っていますか?

毎日のブラッシングでは、歯ブラシのみで歯磨きを行った場合、お口の中の汚れは50~60%ほどしか落とせないと言われています。丁寧に歯磨きを行っても、歯の形態や歯列不正、磨き癖などで、磨き残しがでてきてしまいます。
その磨き残した歯垢は、唾液の中のミネラルと結合し、歯石になります。歯石になってしまえば歯磨きだけでは取り除くことができません。
定期的に歯科医院でクリーニングを行うことで、口腔内全体の歯石や着色を除去し、むし歯や歯周病の予防を行うことができます。

また、汚れを落とすだけではなく、歯の表面をつるつるに磨き上げ、コーティングを施すことで汚れ自体がつきにくい状態にして口内環境を整えます。
自分では落としきれない歯垢や細菌の膜(バイオフィルム)を除去するPMTCを定期的に行うことでご自身の歯を守ります。

また、乾燥している今の時期に最適なのはリップトリートメントです。
唇が荒れやすい、ハリがない、縦ジワ、血行不良などの改善に効果があり、ふっくらプルプルの唇に仕上げます。
荒れやすい反面、ケア次第で早い改善が望める事からリピーターさんが多くいらっしゃいます。
メインテナンスと一緒に唇のケアをしてみませんか?

80歳でも自分の歯で美味しく食べる楽しみを

今の80歳の日本人の残存歯は何本だと思いますか? 平均で12本という統計です。平均で16本抜けています。寿命は延びていても、歯の寿命が追いついていない現状です。
歯の本数が多いか少ないかはQOL【生活の質】を大きく左右します。歯周病は単に歯を残せるかどうかだけの問題ではありません。口の中にいる歯周病菌が血管内に入り込み、全身に廻るということはご存知でしょうか?その影響から、癌、糖尿病、高血圧症、脳梗塞、心筋梗塞、肺炎、認知症…といった病気のリスクが4-11倍まで高まります。
口の健康を守る予防歯科は、単に歯を守るだけではありません。あなたの全身の健康を守り、健康寿命を延ばします。80代90代になったときも、ご自身が美味しく食べることができ、人生を全うするまで健やかに楽しく過ごせるよう、今からしっかりとお口のメンテナンスをしていきましょう。

カリオロジー

予防歯科はカリオロジーに基づいています。
カリオロジーとは、むし歯の実体をきちんと把握してコントロールするという学問です。
カリオロジーの中では、しっかりした予防を行い、治療においても、むし歯ができた場合削る量を最小限におさえ、再石灰化をうながします。
削る量を最小限におさえると、キーンとしたイヤな歯を削るドリルもほとんど使わなくて済みます。

原因から考える

むし歯には主に3つの原因があるといわれます。

この3つの重なりがむし歯を引き起こします。
カリオロジーは、むし歯の原因1つ1つをときほぐし、個人個人がどのような状況にあるか、というところから、予防への道しるべを作っていきます。
お口の中の細菌について、ご自分の歯の強さについて、食習慣について、見直すことから始めるのがカリオロジーです。
当歯科医院では、患者さんにあわせて予防を考えていきます。

フッ素で予防

歯科医院でのフッ素塗布

フッ素は、歯を硬く強くし、むし歯になりにくくするためのお薬です。
方法はフッ素を歯の表面に塗ります。フッ素塗布は定期的(年に3~4回)に塗布することが有効です。

当歯科医院でも、定期的なフッ素塗布を推奨しております。
歯科医院で使うフッ素は、安全量ですので、安心してお使いいただけます。
特に、歯が生えて間もないお子様のむし歯予防には非常に効果的です。
歯磨きとお薬の力を合わせて行くことで、よりむし歯になりづらい環境をつくっていきます。

歯みがき剤もフッ素入りのものを

歯みがき剤も、フッ素の入っているものを選ぶことで、日ごろからの歯質強化につながります。
当歯科医院でも、歯科医院専売の歯みがき剤をいくつか取り扱っております。
お帰りの際、ご相談ください。

定期的な検診がむし歯・歯周病を予防します

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毎日の歯磨きがむし歯を予防する最良の手段ですが、全ての人が完全な歯磨きができるわけではありません。
磨き残しがどうしてもでき、そこからむし歯になることもあります。また、毎日の歯磨きだけでは歯周病を防ぐことができません。
歯周病予防には医院での歯石除去が有効です。

来院されるペースは患者さんによって違いますが、3~4か月に1回が目安になります。
毎日の歯磨きと医院での定期的な健診により、生涯ご自分の歯を保つ事が可能になります。

※↓クリックすると拡大表示されます。

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プロのクリーニングを受けたことはありますか?

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これまでの歯科は「すでに進んでしまった病気をどう治そうか」ということばかりに取り組んできました。
今、そういった医療のあり方が反省期にはいろうとしています。
「何が原因で悪くなったのか」「それを防ぐにはどうしたらいいのか」もう一度よく考えてみましょう!

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)

PMTCというのは、歯科医や専門の歯科衛生士などが行うお口の清掃プログラムのことです。
これにより歯磨きなどでは取れにくい、悪い細菌の塊(バイオフィルム)を徹底的に落とします。
歯や歯肉の清掃を専門の器具を使って丁寧に行いますから、予防効果が高いだけでなく、とても気持ちがいいものです。痛みなどはまったくありません。

PMTCの流れ ~体験してみよう プロによる歯みがき~

1.歯や歯肉の状態をチェック
歯垢や歯石の付き具合、歯ぐきの状態などをチェックします。その方の状態にあった道具や研磨粒子などを選びます。染め出しなども場合に応じて行ないます。

2.歯と歯の間をきれいに
当院では、まずクイックジェットクリーナーを使用してステイン、歯垢、たばこのヤニなどを除去します。通常の方法で行うより約半分以下の時間で綺麗にクリーニングする事が出来ます。研磨剤と円錐形のゴムチップで歯と歯のあいだを磨いていきます。
歯肉のマッサージ効果も期待できます。

3.歯と歯肉の間、歯の表面をきれいに
歯の表面のでこぼこをなくすため、ゴムのカップ状の器具で磨きます。
研磨剤は、粒子の粗いものから使い細かくしていきます。

4.研磨剤の洗浄、フッ素ジェルの塗布
研磨剤を落とした後、知覚過敏やむし歯予防のためにフッ素を塗ります。